防潮堤はマジでやめたほうがいい。その理由。
続けて書いていきます。
前回は、防潮堤のデメリットについて3つ書きました。
1つは水産業が衰退
2つは景観が悪い
3つは津波が止められないかもしれない
これらの理由を書いていきます。
水産業が衰退する理由
これが最大の防潮堤のデメリットと僕は思ってます。
さて、防潮堤含む防波堤や堤防の役目は津波から守るとか潮風を防ぐとかあるでしょうが、これらは全て地上と海の関係を悪化させます。
例えば、海岸がありますよね。海岸といえば砂浜でしょう!
砂浜が無くなります。
防波堤には種類があって、簡単に言うと、海の中に建てる物と陸地に建てる奴とがあります。
まず海に建てる奴。
静岡浜松市より。こんな奴。
これは完全に砂浜が無くなるわけではありませんが、
M字ハゲのように砂浜がハゲていきます。その結果がこちら。
↓
元は防波堤との間が海だったのがわかりますよね?
最初は防波堤が建ち、砂浜が溜まっていきますが、ある時から溜まり方が変わります。
それが下の画像。
ある時から、防波堤の真裏を除く、波が入れる部分から波が入るため砂浜が削れていきます。
その削れた砂は左右に流れて、防波堤の真裏に溜まっていきますから、段々と防波堤の真裏には砂が溜まっていって、M字ハゲのできあがりって寸法です。
かっこわりぃ~、景観なんてあったもんじゃないですね~。
これで防波堤は砂浜に影響をもたらすことがわかっていただけましたでしょうか。
次に陸地に建てる堤防などですこっちはもう最悪。手を打たないと、マジで砂浜は無くなります。
こんなの。左端なんかもう、自ら砂浜消してるけどね。そんな無駄な金使わんでもでもいずれ白い部分の下側の砂も無くなっていきます。
かの有名な九十九里浜も消波提で砂浜が消えたって話があります。
「砂浜なんぞ無くたってええわい。」
という方もいるかと思います。
では、なぜ砂浜はあるべきなのか。
砂浜は陸と海の境界です。
陸からは、川から、砂だとか生物の死体だとかの有機物などが流れてきたりします。山から土砂崩れなどで土やそれに含まれる成分なども砂浜の元になったりします。そうやって砂浜は成り立ちます。
生物の死体が川から流れてきたとします。その死体は砂浜に打ち上げられると、砂浜はその死体を分解する、砂浜はいわゆる浄化の役割を持っているんですね。
分解され、有機物として今度は満潮になった時海が攫っていきます。それが海の栄養分となっていく、というサイクルがあります。
防波堤(防潮堤)の正面は そのサイクルが消えるので、海草が育ちません。すると魚も来ません。砂も削れていくので将来的には水深も深くなりますます生物がよりつかなくなるでしょう。
防潮堤は400メートルとかかなり広い範囲のものを作るとか聞いていますが、この範囲のサイクル潰して・・・どうなるんでしょうね、想像もできませんね・・・
つまり、海産物を豊富にさせる為には砂浜ってのはす~んごい大事なんです。
代表的なのが干潟です。干潟は生物がメチャクチャいる、と聞いたことが無いでしょうか。
岡山は干潟がいっぱいあって、瀬戸内海の海の幸が豊富にあったと言われております。しかし岡山は干潟を干拓し、土地を得ることを選びました。
今は瀬戸内海の幸なぞ名だけ。昔ほどの名声は無くなってしまいました。
ほんで岡山はなんて言ってると思います?
「昔ほど採れねえし昔ほど美味しくはねえ」
皮肉です。
干潟は重要です、大切にしましょう。
こういった理由で、防潮堤を設けた地域は水産業は間違い無く衰退します。
他所から砂持ってくりゃいいってもんでもねえんだぞお役所
大学でウン時間も聞く話をこの字数で纏めているのでとても簡単に纏めています。詳しく知りたい方は生物地理学とか、海洋生物学とか勉強するといいと思います。
というか、自然と共存する気運が世界的に高まってんだから、こういった話をする自然科学みたいなんを義務教育化すべきじゃないかなと僕は思うんですけどね。
農林水産省とかはそんくらい勉強しとけやボケ!とか思ってないです
景観が悪い
さっきのM字ハゲもそうですが、防波堤に景観の話は不可欠でしょうね。
防波堤そのもの?の景観がいい場合もありますが(ドラマの場面とかね)、やはり日常的に見るのは、やはり海のほうがいいでしょうね。
僕も防潮堤見るより海見るほうが好きです。
正直、沢山言われてるんで書くこと無いんですけどね。
ただ、水産業が衰退する理由で書いたのを、景観という視点で書くと、
防波堤(防潮堤)の海側正面は砂が削がれていきます。そのため砂浜が消えるどころか砂浜で無い所まで無くなります。
防潮堤が陸の上に造るものと海に造るもの両方あるのかはわかりませんが、
海に造るのなら、防潮堤の裏の海はいずれ無くなります。
陸に作った場合、海側の土地は段々削り取られていき、やがて海になります。
砂浜が無くなるってんなら海岸から遠くに造りゃええんやろ。という訳でもなく、
結局、防波堤(防潮堤)が陸と海の関係をぶった切っているので、陸から砂の供給がないので、10年後海になるのが50年後になるだけです。
しかも、海岸から遠くに造った分土地が無くなります。国土の60~70%が森林の日本では痛手でしょう。
人工物が綺麗だ、というのは、自然とのコントラストだとか、自然とは異なるから、という観点があってこそじゃないかなと思うので、自然を見えなくした発展した都市を造ったとしてそんなに魅力的に感じるだろうか、と僕は思います。
津波を止められないかもしれない
地震に耐えられるのか?
何百メートルもの構造物で高さは6メートルとか8メートルでしょう?
何で造るの?コンクリートじゃないでしょ?地震でヒビ入るでしょ?
地震情報を見てればわかりますが、東北ってすごい地震多いんですよ。
岡山に住んでるからそう感じるのかもしれませんが。
小さいのではビクともしなくても、何回も殴られてれば劣化が早くなるように、防潮堤だって、何度も揺らされれば段々弱くなっていくでしょう。
そうでなくても、東北大震災ほどの大地震ではどうなのか。僕は耐えられると思えない。ヒビくらいは入るだろうと思う。バタンと倒れるとは思ってないが、ヒビが入れば強度は相当落ちるだろうし、ヒビから崩壊するだろうし・・・と思うと、やはり信用はできないのです。
とはいえ、昨今の建設技術や科学を用いれば耐えられるとして、いったい幾らかかるのか。
これのメンテナンスや再工事は免れない訳で、これらの費用と建設費用ってどんだけよ。
科学的に守れますよって論文出てればちょっとは信用するんですがどうなんでしょうか、できてないですかね?まだメディアは取り上げてくれてませんが。
地震には耐えられたとして、津波だって1回きりじゃないじゃないですか。何回も押し寄せてきますし、1回耐えられるだけじゃ駄目じゃないですか?
もちろん、壊れるといっても、ゲームみたいに一度壊れたら全て消滅するなんてことにはならないから、1部が壊れても壊れなかったところが機能して被害が減るとかになるだろうけど、どこまでやればコストパフォーマンスが最もいいのかってことですね。
まとめ
津波から完全に守られれば幸せなんだろうなとは思います。
でも、その代わりに、津波が来ない間の普段が悪くなるのとどっちがいいのかって話になるでしょう。
そりゃ両方できるに越したことは無いでしょうが、そんな夢みたいなことは、まだ今の人工物では無理だろうというのが正直なところです。
じゃあ対策しないというわけにもいかんでしょうし難しい話ですね・・・
僕ならまず、人の命だけは助けられるように高台を幾つも設けるとか、ですかね。
これだけ反対する内容かいといてアレですが、防潮堤だってメリットがある以上、全否定するわけにも行きませんからね、他の方にはこの記事を見てもし知らないことを吸収して何か考えるきっかけになればな、と思いました。